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伊東さんちの家づくり⑮猛暑の中の基礎工事
ウチの地盤改良工事が始まるとほぼ同時に石川県も梅雨明けとなった。
昨日、地盤改良の模様をお届けしたので今日はウチの基礎工事をご覧頂きたいと思う。
みづほ工房ではベタ基礎と呼ばれる基礎を採用している。
地面にベターっと鉄筋を組み、その上にベターっとコンクリートを打つ。
鉄筋入りのコンクリートが家全体を面で支える強固な基礎の部類である。
昨日の話じゃないけど、ベタ基礎だったら地盤改良は要らないって言うような都市伝説もあったくらい強固な基礎である。まずは土中の湿気上がりを防止する丈夫なシートが敷かれて、型枠が組まれる。
最近は木製型枠じゃなくってリユース可能な鋼製型枠が主流です。
そしてベタ基礎の心臓部、鉄筋組みが行われる。
鉄筋組み(配筋と言います)が終わると現場検査である「基礎配筋検査」を行って不備がないかチェックします。みづほ工房では設計士さんと現場総取締(って言ったら大奥みたい・・・)の工事部長、鬼の大桑がしっかり検査を行います。
ちなみにウチの場合、3カ所不備が見つかった。
作業員の方も図面通りに施工すべく一生懸命作業して下さっているのであるが、人間ですもの・・・って言うかこの暑さである。間違いだってあるよね。ウチの現場検査は1回目は不合格であった。
そして指摘を受けた箇所を是正処置し、鬼の大桑の再検査を受けて見事(?)合格。次に地鎮祭の際に神主様より頂いた「鎮め物」を丁重に埋める。
鬼の大桑は鎮め物のすぐ上を人間が歩くことを許さないのである。
よって基礎コンクリート打設直前に鎮め物を埋設します。
防湿シートは専用のテープでしっかり接着。
そして35℃を超える気温となった20日、ベタ基礎のコンクリートが打設された。
猛暑の中、打設した端からコンクリートが乾き出す。
作業員の方も大わらわで押さえて下さる。
長袖を着用しているではないか、さぞかし暑かったであろう・・・。
どうもありがとうございます・・・。皆様のおかげでウチのベタ基礎も安泰であります。
そうそうコンクリートの特性上、余りの猛暑だとコンクリートに亀裂が入る可能性がある。
いわゆる暑中コンクリートには散水にて養生を行うらしい。午後から打設したウチの基礎コンクリートは私が見学に行った夜7時頃には既に表面が乾き、30㎝くらいのミミズのような亀裂が2カ所あった。
亀裂はコンクリートの強度に全く関係ないとは聞いていたが、何せ施主となった私は皆様とと心配事が一緒である。いくら「大丈夫」と言われても私は心配なのだ。(こんな気持ちになるんですね、勉強しました・・・)
ウチの基礎のため・・・と水まきに没頭し、ふと気がつくと私の白いパンツ(ズボンの方)は泥まみれになっていた。しかし翌日、泥まみれの甲斐あって亀裂は1カ所はふさがり、もう1カ所の亀裂も広がりを見せてはいなかった。
その翌日より2日間、なんと気温が24~25℃程度となり小雨まで降ってくれた。
ここに来て天が伊東家を味方した結果となった。やっぱり地鎮祭に神様は降臨していたと思います。
疑ったりしてごめんなさい・・・。2011.7.23
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伊東さんちの家づくり⑭地盤と都市伝説
猛暑の中の基礎工事中である伊東家。
今日は基礎工事より前に行う重要な工事、地盤改良についてのお話である。地盤については様々な都市伝説が横行していると感じるのは私だけであろうか・・・。
せっかくなので都市伝説の解明も兼ねて(相変わらず大げさ)ご説明したい。良く聞く都市伝説その①「田んぼを埋めて3年寝かせると地盤が締まる」
↓
確かに埋めたばかりのフカフカの土は雨風にさらされ、年月と同時に締まってくるであろう。
でも地盤とはもっと土の下深~くに存在する、その土地を支えるための層(支持層や支持地盤と言う)を指すのである。
どんなに多く見積もっても田んぼだった頃は道路より1m程度しか下がっていない。
本当の支持地盤は更に深くに存在するのである。よって答えは×。
良く聞く都市伝説その②「地名が水に由来すると地盤が弱い」
↓
実績としては正しいと言える。
石川県で言うところの「穴水」「戸水」などなど。
実績としてことごとく地盤が弱かった。(支持地盤まで10mくらい掘ったところもあるくらいである)
地名はその昔の姿に由来することが多いと思われる。ただし、一概に言えないところから答えは△。
良く聞く都市伝説その③「竹林は根が張っているので地盤が良い」
↓
何度も申し上げているように、地盤の善し悪しは表面を支える支持地盤の深さで決まる。
どんなに根が張ろうとも支持層と根っこは関係ない。
ちなみに裏山が竹林の伊東家では支持地盤は表面から2.5mの深さに存在した。
要するに地盤が良くない類であった。伊東家が証明しているので答えは×。
って言うか来年からウチの裏山の竹林は土砂災害警報区域のイエローゾーンに指定される予定らしい。まさに③は都市伝説としか言いようがないのである。最後にウチの改良風景を皆様にお届けしたいと思います。
「丁張り」や「遣り方」などと呼ばれる木の柵は基礎や床の仕上がりの高さが書き込まれている大切な印。そこに柱状改良用の重機が入れられます。
重機が改良を開始。
柱の下に当たる場所に60cm口径のセメント柱を作っていく改良方法を柱状地盤改良と言います。
拡大写真。
最後はきれい整地して基礎の下地として完了。
ちなみに地盤改良はその建物の下に施工する工事のため、たとえ改良された土地であろうとも建物の位置が変われば再度必要になるのである。特にウチのような柱状地盤改良の場合は柱の下に改良が施されるため、ますます建て替え(しないけど)の際に再利用など出来ない。
「地盤改良の再利用」これも時々質問されるんです。
いつか都市伝説になるかも~。2011.7.22
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伊東さんちの家づくり⑬地鎮祭を解説します。
今年の梅雨は短かった・・・。
連日猛暑ですが皆さん良く眠ることが出来ますか?さて梅雨明けとほぼ同時、遂に伊東家が着工した。(現在基礎工事中)
今日は着工前に必ず行われる地鎮祭について皆さんに解説(偉そうに・・・)したいと思う。用意するものは主にコレ↓(地域の神社によって若干の違いはあります)
私の地域では御神酒(日本酒を箱入り2本)、神饌料(相場よりチョイ高めの3万5千円)を準備。
今までのお客様からも良くご質問頂いたので、私の例を参考にして頂ければと思う。
御神酒の「のし」は上に「奉献」下に名前を書く。フルネームでも名字だけでも決まりはないが、近所の酒屋のお父さんが「せっかくならフルネームで!!」と張り切って書いて下さったのでウチはフルネームとあいなった。神饌料を入れる封筒も特に決まりはないが、水引がプリントしてあるものでも勿論良い。
たまたまお祝い用の白い封筒があったのでウチはこれ。表書きは「神饌料」でも「玉串料」でもどちらでも良く、名前もフルネームでも名字でもどちらでも良い。現地には鯨幕と呼ばれる青白の幕がかかったテントが用意されており、その中に祭壇がある。
こんな感じ。そして式は式次第に沿って粛々と進められる予定である。
まずは手水と呼ばれる桶に入った水で手と口を清めて席に着く。
ウチの母、両手を差し出していますが本来片手ずつ行います。
(でもそんなことは誰も気にしてないのでご安心を・・・)そしてお祓いを受けて神様降臨を待ちます。
神様にきて頂いたところで祝詞をあげてお参りします。
土地を清めて・・・
いよいよお施主様の出番です。
苅初と言って神主様より渡される鎌で祭壇下の笹を切る(動作をする)作業へと進む。
父の涼しそうな頭皮がまぶしい・・・。続きましては施工会社の出番。
穿初と言う笹が生えていた(と想定)砂を崩す作業。
次は玉串(と呼ばれる榊の枝)を祭壇に捧げる「玉串奉奠」である。
さすが伊東家、いつもながらただでは終わらない。実は準備中神主様が「あっ」と言う顔をなさった。そして周囲の箱という箱を開け出す。
「忘れ物かな~」とのんびり構える私であったが事態は深刻であった(大げさ)。神主さん、なんと玉串を忘れてきたのである・・・。
どうすんだろう、それがなくっちゃ始まらないんですけど・・・。
しかし神主さんはあわてない。「わたくし、山へ取りに行って参ります!!」
山?
いやいや見渡す限り山ですけど、どの山へ?どうやら神社のことを言っていたらしい。
父の車に乗り込んだ神主様は近所の神社で玉串用の榊を調達してきた。なんとかピンチを切り抜けた伊東家地鎮祭(本当にピンチだったのは神主様)。
摘み立てフレッシュな玉串を無事に捧げ地鎮祭は幕を下ろした。最後は神主様のありがたいお言葉を頂いて、神様に捧げた御神酒で乾杯する。
みづほ工房ではせっかくなので記念に家族写真を撮影していま~す。
良く皆さんに頂く質問に「服装」がある。
伊東家をご参考下さい。特にスーツでなくてもこんな感じで十分です。伊東家は粛々としたムードもなく、終始「暑い」だの「暑くてメガネが曇ってきた」だの「玉串はお母さんも捧げるのか」だのと母がアットホームムード全開の地鎮祭であった。これでは神様に失礼であったかと伊東家反省中である。
しかし、背景がさみしい。
本当は祭壇の真ん中に神様が降りてくる大型の榊が鎮座しているのである。
伊東家にはそれが無い。果たして神様は本当に降臨したのか・・・。
それは神様のみぞ知る・・・なのである。
(信じるものは救われる?)2011.7.13
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