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住む・暮らす・楽しむ。
お引渡しから何年も経ったお客様邸にお伺いする機会がある。
用事がある時ももちろんあるが、その多くは定期点検である。
その中で気が付いたことがあるので今日はそれをテーマにしたいと思う。
定期点検は主に現場監督が行うがお客様からのご質問やご要望によっては私が登場することもある。
私が行くとお客様の中には「伊東さんが来るなら掃除しておけば良かった・・・」とおっしゃる。
でも、お掃除の有無ではないことを私は定期点検で察知している。
保育園児、小学校へ通う子供がいる中、そう子育て真っ最中なら掃除は行き届かなくて当然だろう。
しかも多くのお母さんは仕事まで抱えている。
家の隅々までキレイピカピカなど不可能に近い。
でも「掃除が行き届いているか」ではなく「家を大事にして下さっているか」は見れば分かるのだ。
本当に見れば分かる。(何て伝えれば良いか適切な言葉が見つからない・・・)
見れば分かるのだ。
掃除なんかではない、家が大事にされているのを見ると本当にうれしくなる。
このお家はいつも大切にして下さっているのが伝わる。
築9年にも関わらず結露など一切なく私も感動した1件。勿論このお家以外にもそんなお家はたくさんある。
たまに「もしや大事にしてくれていないのでは」と思ってしまう方もいる。
でもそんな方の多くは子育てや仕事を両立させながらもアクティブに毎日を楽しんでいらっしゃる。
「自分の家」があることで精神的支柱が出来、そして私生活が心から楽しいものになるのであればそれはそれで家を建てて良かったと思って下さっているので、この場合も私はとってもうれしい。
先日、新築プランニング真っ最中のお客様のご自宅へ伺った。
既に築17年が経ったアパートに奥様は生活のしにくさ、清潔が保たれない環境を嘆いておられた。
一刻も早くご新築なさりたいとヒシヒシと伝わった。
でもこのアパートには高級車を2台所有し、休日はゴルフ三昧の独身貴族がいらっしゃると聞いた。
それを聞いて私の仮説は恐らく本説なのではないかと思ったのである。
このアパートにいらっしゃる独身貴族にとって家は「住むことが出来れば良い」場所なのだ。
古さや家事のしにくさ、清潔が保てないことは貴族にとって二の次なのであろう。
私のお客様の多くは家は「大切な家族と暮らして行く」場所なのだ。
だから掃除云々ではなく家を大切にして下さっていると伝わるのだ。
ちょっと大事さが欠けているかもと思うお客様は心から暮らしを楽しんでいらっしゃる。
このお客様にとって家は「家族と生活を心から楽しむ」場所なのだ。
だから家にちょっとくらい大事さを感じなくとも私が心からうれしくなるのだ。
「住む」のか「暮らす」または「楽しむ」のかで家を大切にして下さるかどうかは決まる。
これからご新築の皆様にはぜひ「暮らす場所」「楽しむ場所」として家を考えて下されば心から嬉しく思います。
2018.5.4
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