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地鎮祭の魔法。
数年前、ある1件のお家の地鎮祭を行った。
そのお家には当時6才の元気いっぱいの男の子がいらした。
打合せ中ももちろん待ってなんかいられない。
見学会もゆっくりとは見られない。
そりゃそうだ、6才の子供は元気があって当たり前。
おとなしくしている方が心配になる。
そしてついに迎えた地鎮祭当日、男の子は何だか緊張しているように見えた。
奥様が「今日は神様が来てくれる日」だと念押ししてきたと教えて下さった。
神様に会うということで並々ならぬ緊張感を漂わせていたのだ。
そして6才の男の子にとっての奇跡が起きた。
彼は地鎮祭の最中、ずっとずーっとおとなしく座っていたのである。
途中何度も奥様が振り返り、あまりの静かさにビックリしていらしたのを覚えている。
地鎮祭も無事終わり、男の子は私に言った。
「神様もう帰った?」
私は「もう帰ったよ」と伝えた。
その途端、男の子は遥か彼方まで走っていったのである。
そこには普通の6才の男の子がいた。
先月、みづほ工房では2件の地鎮祭が執り行われた。
どちらのお家にもお母さんに甘えたい年頃の2才の男の子がいる。
打合せ中も例によってじっと待ってはいられない。
2才なのだ、当たり前である。
だが、やはり地鎮祭、何かが違うのだ。
神様が来てくれる特別な日なのだ。
よって、いずれのお家も2才の男の子に奇跡が起こった。
いつも一緒のお母さんが来ることが出来なくてもこんなに立派に座っていられた。
お祓いを受けるときに頭を下げることだって出来た。
いずれも後ろで見ている私(司会担当)は涙が出そうになった。
どのお家のお子さんもみんな、地鎮祭は立派にやり遂げた。
それを私は地鎮祭の魔法と呼んでいる。
2018.5.18